
夏の終わり、ちょっとだけ少し涼しくなってきた日のこと。
我が家の愛しい老犬、ミニチュアシュナウザーの天ちゃん(13歳)が、突然「前庭疾患」になりました。
突然の出来事で不安でいっぱいになった日々。
同じ状況になった飼い主さんの、ほんの少しのヒントになれば、という思いで、そのときの経緯を記録しておきます。
🚨いつもと違う、突然の異変
その日の朝は、本当にいつも通り。
朝ごはんのカリカリは、もちろん元気いっぱい完食。食後は、いつもの場所で朝寝。
ここまでは、いつもと変わらない老犬との穏やかな日でした。
しばらくして、トイレのためや水を飲みに移動する天ちゃん。なんだかフラフラしている様子。
尻もちをつく。よろける。
いつもは軽々とジャンプするソファへの移動に、思い切り失敗。
「絶対に、どこかおかしい」
直感でそう思い、抱き上げて顔を見たときの衝撃。
天ちゃんの黒い瞳が、左右に速く揺れている…。「眼振」です。
すぐにかかりつけの動物病院へ電話。
休診日にもかかわらず、急患として診てくださった先生に、心から感謝。東京の動物病院の先生は本当に心強い存在です。
🏥前庭疾患の診断とシニア犬の現実
天ちゃんを抱きかかえ、病院まで。歩いて15分なのに、すごく遠く感じる。
診察の結果は「前庭疾患」。
犬の前庭(ぜんてい)とは、バランスを司る器官。内耳や脳にあるその機能に異常が起きる病気です。
- シニア犬に多く発症
- 人間でいうメニエール病に似た症状
- 原因不明なケースがほとんど(突発性前庭疾患)
先生の説明。
対症療法(症状を緩和する治療)しかない、とのこと。抗生物質と胃薬をもらい、ぐったりした天ちゃんを抱きかかえ帰宅しました。
普段は頑として抱っこを拒否し、自分で歩きたがる天ちゃんが、この日は一切抵抗なし。ただ、ぐったり。
🏠闘病初期の症状
帰宅後の天ちゃんの状態。
- まっすぐ歩けない。ふらつく
- 顔が傾いている(斜頸)
- 眼振が続く
- めまいのせいか、食欲がない
ふかふかのベッドにそっと乗せると、そのまま力なく横になる。1日目は、ほぼ動かず。
2日目も、ずっとベッドの中。ご飯も食べず。「天ちゃんも、もうこれまでか…」と、最悪の事態もよぎるほど、ずっとぐったりしたまま。
天ちゃんから一時も離れず、それでもとにかく不安で眠れない日々でした。
🌻回復への兆し
変化が見えたのは3日目。
徐々に動くように。ただ、まだ食欲もなく、眼振もふらつきも残っています。
特に、体をブルブルっと振ると、平衡感覚を失ってよろけてしまう。
そんな状態なのに、もともとお散歩が大好きな天ちゃん。3日目からは、外に行きたがるように。
まだお家でゆっくりさせるべきか、迷ったけれども天ちゃんが行きたいのなら、ちょっとでも天ちゃんがよりハッピーなら、と思いお散歩へ。
まっすぐ歩けないため、ハーネスとリードで上から少し引っ張り、体を支えながらゆっくり、ゆっくり。
それからは、日に日に回復へと向かう天ちゃん。
それでも、ふらつきが完全に収まるまでは、10日ほどかかりました。
💡老犬と暮らす私たち飼い主の学び
今回、前庭疾患を経験して痛感したこと。
一つは、食事のこと。
めまいで食欲がなかったとき。いつものカリカリはほとんど食べてくれませんでした。
- カリカリの代わりにウェットフード
- トッピングで食欲を刺激
色々と試行錯誤。普段から、「これなら絶対食べる」というフードやトッピングのレパートリーを、もっと増やしておけばよかった、という反省です。いざというとき、老犬には体力維持が重要。
もう一つは、緊急事態の移動手段の確保。
頻繁に天ちゃんを抱えて病院へ行く、または12 kg もあるパグ海が緊急事態になった時、を考えて、今更ながらペットカートを購入。幸い、まだ使う出番はないけれど、カートがあれば、ちょっと遠くへ散歩も行けるし、買っておいて良かった。
この話をお散歩友達にすると、人間でもメニエール病になった方が多くて驚きました。
皆さん口を揃えて言うのは、「とんでもなくしんどい」ということ。
人間も、ワンコも、ずっとめまいがするのはしんどいね。
幸い、その後の天ちゃんはすっかりいつも通り。それでも、やっぱり老犬。今回の前庭疾患の件で、ずっと先だと思っていた「老い」に立ち向かう飼い主の覚悟と、1日1日をもっと大切に愛情持って過ごしていこうと改めて思ったのでした。
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